2026 SUMMER
久米田 忠裕選手(レスリング)
可能性を信じて前進
天理大学 レスリング部
久米田 忠裕選手
僕がレスリングに出会ったきっかけは、兄の存在でした。兄の近畿大会で戦う姿がされたビデオを観た記憶がずっと心の中にあり、高校進学を機に僕も競技を始めました。それから努力が実り、2025年の東京デフリンピックへの出場権を獲得。フリースタイルで7位、グレコローマンスタイルで8位という成績を収めることができました。
聴覚障害があるため、指導の言葉を即座に理解するのは容易ではありませんでした。それでも、小さい頃から培ってきた観察力を活かし、目で見て技術を習得してきました。また、自分を深く理解し、ありのままを受け入れてくれる仲間たちの存在は、今でも僕の大きな支えになっています。
じつは大学進学後、思うような結果が出ずに辞めることを考えた時期もありました。それでも、2回生で出場した全国大会で5位に入賞できたことをきっかけに、確かな自信を取り戻すことができたのです。
大学4年で競技には区切りをつけ、今後は自分の経験を社会に還元する道へ進むつもりです。デフリンピックでの経験を子どもたちに伝えたいですし、殻に閉じこもっている人に手を差し伸べたいと思い、今は手話も勉強しています。スポーツの専門知識を持つ手話通訳など、新たな支援の形を模索していくつもりです。
最後に、日々奮闘している高校生の皆さんに伝えたいことがあります。皆さんの可能性は無限大です。これしかないと決めたなら、それをずっと続けた方がいい。でも、もし本当にしんどくなったら、一度立ち止まって周りを見てください。あなたの背中を押してくれる人が、必ずいます。僕自身も悩み、立ち止まりながら、周囲の支えで再び立ち上がることができました。だから皆さんも、自分の可能性を信じて前に進んでいってください。
【プロフィール】(くめた・ただひろ)/昨年11月に東京で開催された「東京2025デフリンピック」の男子フリースタイル65kg級とグレコローマンスタイル67kg級の2階級に代表として出場した。




