車いすバスケの迫力 観戦して
パリ・パラリンピックの女子車いすバスケット代表
奈良育英高校３年
西村　　葵さん

　小学４年次に交通事故に遭い突如、車いす生活になりました。「外に出たくない。もう人と会いたくない」というのが、当時の心境でした。
　落ち込んでいる中で、通院していた病院の理学療法士の方が車いすバスケットを紹介してくれました。生き生きとプレーするパラ選手の姿に心が突き動かされました。
　「自分でもスポーツができるんだ」。勇気とやる気が湧いていきました。小学６年から同バスケットボールチームの「カクテル」に所属し、そこで車いすバスケットの魅力にはまりました。車いす同士が激しくぶつかる音とか、迫力があります。パラリンピックを通じてぜひ観戦してもらいたいです。
　パラリンピックでの目標はメダルの獲得です。チーム一丸となっています。チーム内はまとまりがあり、まるで家族のようです。先輩方はストイックで刺激になります。自分自身も取り組み方が変わりました。練習はもちろん、自宅でも体幹トレーニングを欠かしません。全力を尽くします。
　車いすバスケットを始めたことで、自身の世界が広がりました。多くの人と触れ合うことができました。一歩踏み出すきっかけが大切だと感じています。同じ境遇の方がいれば勇気を振り絞って前に進んでもらいたいです。

【プロフィール】（にしむら・あおい）／生駒市出身。同市立上中卒、奈良育英高校3年。今年7月にパリ・パラリンピックの日本代表入りが決まった。趣味は音楽鑑賞。試合前などにK―POPを聴いてテンションを上げている。